三重県鳥羽市石鏡町
三重県鳥羽市石鏡町
こんにちは!
三重県で小さな民宿を営んでいます、ゲストハウスAMARGE(アマージュ)オーナーのリカコです。
私たちが暮らすこの小さな漁師町、「石」に「鏡」と書いて「いじか」と読みます。
伊勢志摩エリアの地名は読み方が難しいものが多く、「相差(おうさつ)」「国崎(くざき)」「国府(こう)」「越賀(こしか)」など、来訪者泣かせの地名ばかり!
そんな伊勢志摩エリアに位置する石鏡ですが、人口は500人にも満たない小さなコミュニティー。
その昔、海賊のアジトだったなんて言われるくらいひっそりと存在する入り江のような地形、急こう配な坂の上に家々がひしめき合って建っている様子はちょっとユニークな景観です。
そんな小さな町に40人以上の海女がいるのですから、結構な割合です。漁師や海女の存在感が強く、地域住民は誰かしら漁業者と親戚なので、この町の住民は本当に海と切っても切れない生活をしています。
地域特有の方言もあり、石鏡弁と呼ばれています。
石鏡弁は他の日本語と全く違う言語なので、同じ日本人同士のはずなのに、こちらに来てすぐの頃は地元の方のおっしゃることがほとんど理解できませんでした。
語気も強く、一見すると怒鳴っているように思われることから、「石鏡の人はみな怖い」と思っている近隣の別の町の方に言われるのですが、本人たち曰く
「わしらは言葉がきつくて口が悪いが、根は優しい」
のだそうです(笑)
石鏡という地名の由来は、港から見える「いしかがみさん」と言う沖合にある島の名から来ています。
いしかがみさんは岩でできた島でその形はドーナツ状になっており、島の真ん中には大きな穴が開いていたそうです。
太陽の光が海面を照らし、いしかがみさんの穴からキラキラと輝いている様子は「まるで鏡のようだった」ことから「いしかがみ」と名付けられた島なのだそうです。
石鏡のシンボル的存在であったいしかがみさんですが、過去にあった大型台風のせいで岩のてっぺんが崩れてしまい、今はドーナツ状の島ではありません。
一度でいいから、海上に浮かぶ巨大な鏡を見てみたかったなぁと思います。